鑑定団ユーザー訪問②

関東エリアをメインに展開する生活協同組合のお客様へのインタビューです。

鑑定団ユーザー訪問②

主な事業内容:生活協同組合

事業エリア:主に関東エリア

お客様インタビュー

---いつも当社の製品・サービスをご利用いただき、ありがとうございます。まずは貴会の安心安全に対する取り組みについて、伺えますか?

生協は、もともと価格適正や安全と安心に疑問をもつ人々が、お互いに手を取り合い自らの生活を守ろうという「協同組合運動」から始まった組織です。当会は、関東信越の7生協の連合会で、同じ理念・ビジョンのもと、事業・活動を進めています。
商品の安全と安心に関しては、独自の検査センターを持ち、残留農薬、微生物、食物アレルゲン、食品添加物、放射性物質などの検査を行っています。商品の状態を科学的に把握し、課題や改善点を明確にするのが目的です。

鑑定団ユーザー訪問②---その一環として、DNAによる米の品種判別にも取り組んでいるのですね。当社の検査キットを導入いただいたのは2014年でしたが、どういった背景があったのでしょうか。

キットを導入する前には、外部の検査機関を利用していました。内製化するきっかけになったのは、2013年に東海で起こった産地偽装事件です。当会の製品に問題や影響はありませんでしたが、この事件からリスク管理の重要性を感じ、取り組みの強化を検討することになりました。その中で、検査体制を整えることが、結果判明までのスピードアップやコストダウンにつながるのでは、という意見が出たこともあり、導入が具体化しました。

---導入の決め手は何だったのでしょうか。

ひとつは、信頼できる先からビジョンバイオを紹介されたことです。もうひとつは、技術スタッフの方による直接指導型の研修サービスに対応していたことですね。実は、立ち上げ当初は、私自身を含め、米の品種判別検査の実務経験者がいない、というのが一番の課題だったんです。

鑑定団ユーザー訪問②---その課題をどのように解消されましたか。

まず、立ち上げ当初に研修サービスを利用して、1日かけて検査の全体の流れや操作方法を教えてもらいました。それで概要はつかめたものの、もちろん、分からないことのすべてが解消されるわけではなく・・・。そこで、その後はメールで随時相談し、フォローしてもらいました。今でも、何か困ったことがあったら、すぐに相談してしまっています(笑)。

---現在、どのように活用しているのでしょうか。

供給前の玄米について、異品種の混入がないかを確認しています。検査のスケジュールは特に決まっていません。同時処理によって試薬の節約ができるので、新米の時期には3〜4検体集まった段階で検査しています。逆に、比較的落ち着いている春先から夏にかけては、要望や必要に応じて1検体から実施するという体制です。
全体の数量は、年間で70検体ほど、品種にすると20品種以上の取り扱いがあります。検体の約半数がコシヒカリですので、お米鑑定団コシヒカリ鑑定団を併用で、検査効率を高めています。

---実際に使ってみて、いかがでしょうか。

とても使いやすいです。抽出は待つだけだし、操作も簡単です。外部委託していたころと比較すると、検査結果が得られるまでの時間が短くなったのは当然ですが、コストダウンにもつながったと感じています。鑑定可能リスト(150品種)に記載のない品種についても、パターンを教えていただけるので、とてもありがたいです。

---ところで、弊社の米品種判別検査(受託検査サービス)をご利用いただくこともあるようですが、どのように使い分けしているのでしょうか。

異品種の混入が疑われるようなサンプルがあった場合に、利用しています。基本的に表示以外の品種の混入は「あってはならないこと」なので、最終的に第三者機関の立場で「混入なし」と証明してもらえると、ほっとします。検査キットと受託検査サービスの両面からサポートしてもらえるのでとても助かっています。

鑑定団ユーザー訪問②---逆に、使いづらいと感じている点や当社への要望があればお聞かせください。

各試薬については申し分ないのですが、前準備の操作について、例えば、「○秒粉砕」「○g入れる」など、粉砕具合や試薬に入れる量が明確になるとありがたいかなと思います。

---その点に関しては、お客様の使用している機材の違いなどから一律のご案内が難しいため、取扱説明書に掲載している画像を参考にしていただいています。他にも何かありますか?

価格・・・ですかね(笑)。少しでもコストダウンにつながるとありがたいです。あとは、キットに関わらず、最新の技術などの情報提供もお願いしたいです。

---それでは最後に、今後の展望をお聞かせください。

最近は、宅配事業を行う企業も増えており、類似のサービスを提供している業者も出てきています。一方で、高齢化・人口減少などの課題があり、今後は、いかに商品を買ってもらうかという取り組みが必要になってくると思います。そのような中で、「食の安全と安心」の取り組みは当会にとっても欠かせない分野の一つです。試薬キットだけでなく、それ以外の遺伝子検査についても、必要に応じて取り入れたいと思いますので、今後もぜひよろしくお願いします。

---貴重なお話、ありがとうございました。

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